コレクション

小海町高原美術館は小海町にゆかりの作家を中心にコレクションしています。その他、SPレコード、伊勢型紙など貴重な資料を多数収蔵しています。

  • 伊勢型紙コレクション

    伊勢型紙

    伊勢型紙は、着物の柄や文様の染色に使う型紙。三重県の白子(現鈴鹿市)で室町時代末期から作られていたとみられ、江戸時代に紀州藩の保護で発展しました。和紙を3枚柿渋で張り合わせて加工した型地紙に、熟練した技術で彫り抜かれた精巧な文様は美術工芸品としての高い評価を得ています。本型紙は江戸時代に紺屋を営んでいた小海町西馬流の篠原富和氏の生家で発見され、小海町に寄贈されたものです。

  • SPレコードコレクション

    SPレコード

    当館が収蔵するSPレコードは、小海町松原湖高原別荘地在住の、宮昭雄氏が小海町に寄贈された作品を平成9年7月の当館の開館に合わせ、1年をかけて清掃・整理したものです。 
    このコレクションは、第二次世界大戦以前に日本で発売されたクラッシックを中心として、その作品数は370枚を越え、レコード枚数は1,100枚に及びます。
    往年の名演奏家、伝説となった巨匠の作品、また、今やCDで聴くことが不可能になった音源や世界中のコレクターが探し求めているレコード等、貴重なレコードが数多くあります。現代のチェロ奏法を確立したといわれるパブロ・カザルスの出世作バッハ「無伴奏チェロ組曲」、録音が少ない伝説のヴァイオリン奏者エフレム・ジンバリストのブラームス「ヴァイオリン・ソナタ」など、室内楽の代表作が網羅され、また、ベートーヴェンの交響曲は、メンゲルベルク、ワインガルトナー、ワルターなどの名指揮者で全9作あり、シューベルト「美しき水車小屋の娘」は、戦前のドイツの名バリトン歌手ゲルハルト・ヒュッシュが歌っています。その他にも音楽史上欠くことのできない演奏家たちの録音が見つかりました。常に聴かれ続けなければならない名演奏がここにあります。
    音楽がレコード芸術としての分野で花開いた頃、レコードは宝物でした。時代の薫り溢れる貴重なSPレコードを資料性の高い印刷物も含めて、ただ収蔵・保管するだけでなく、皆様と共に音を聴き、歴史を検証する作業を続けて参ります。