対話型鑑賞とは、1980年代半ばに、アメリカのニューヨーク近代美術館で子ども向けに開発された美術の鑑賞法で、日本でも2000年前後から、教育普及プログラムの一環として各美術館で行われたり、学校教育の現場などで取り入れられ、広く知られるようになりました。
対話型鑑賞が従来の美術鑑賞と異なる点は、作品の意味や技法、作者に関することなど、美術の知識をもとにして作品と向かい合うのではなく、作品を観た時の感想や、そこから想像されることなどをもとにして、グループで話し合いをしながら、その対話を通して観賞が行われることです。
こうした、美術についての知識を介さずに作品を楽しむ体験を他人と共有することを通して、想像力や自分で考える力を育てること、自分の考えを話す力や他人の話を聴く力といったコミュニケーションの能力を育てることを大きな目的としています。当館でも鑑賞授業に取り入れています。