2016年秋から2年にわたり長野県小海町に滞在し、作品制作を行った英国人の画家、リチャード・ホーアの展覧会を開催します。
リチャード・ホーアは、1967年、イギリスのイプスウィッチに生まれ、ケンブリッジ・カレッジ・アートアンドテクノロジー、ケント・インスティテュート・オブ・アート、キプロス・カレッジ・オブ・アートを卒業後、ロンドンを中心に多くの個展、グループ展を開催してきました。リチャードは小海町を訪れ、自然から多くのインスピレーションを得て制作を開始します。小海町から望む御座山と八ヶ岳そして松原湖、森、木などを題材とし、四季、時間、天候の変化による、光や空気そして特有の空間を感じ、印象を表現しています。車に画材を積み込み、芭蕉が句を詠むように旅をし、作品が生まれていきます。時に画用紙の上に雨が滴り、時に画用紙の上で氷が結晶を作り、インクが滲み調和する場所固有の作品も特徴のひとつです。また、小海町の中学校で行った音楽を聴き、その印象を筆致で表現する授業からもわかるように、リチャードの作品は音楽であり、詩でもあります。本展は、油彩、水彩、インク、モノタイプと多彩な技法で描かれた作品を紹介します。リチャードの視点は、我々に「自然を見ること、そして感じること」の素晴らしさを再発見させてくれるでしょう。