記憶の地層 現代アートシーンⅥ

小海町高原美術館では複数の同時代のアーティストを紹介する展覧会を開催いたします。同時代のアーティストの活動を展観するシリーズ「現代アートシーン」の第6回目となる本展は、「記憶の地層」をテーマに、国内外で活躍する3名のアーティストを紹介します。美術は記憶を呼び覚まし、「かたち」として私たちの前に提示する力を持っています。アーティストの記憶、「モノ」の記憶、場所の記憶、そして私たちの記憶。それらの記憶は様々な構造で堆積し、まるで地層のように積み重なっていると言えるでしょう。
齋藤春佳は、自身の記憶を、時間と空間を超えた壮大な構造の中で捉え、多彩な表現で追求しています。戸矢崎満雄は長年に渡り蒐集した他者の記憶が宿る既製品を用い、当館固有の場所から生まれる未知の作品を発表します。六田知弘は東日本大震災の記憶が堆積した「モノ」の声を「時のイコン」と名付けた写真を通して聴かせてくれます。
本展を通じ、「記憶の地層」に向き合うことで、過去あるいは自分自身と向き合い、未来を考えるきっかけを得ていただけたら幸いです。

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