アート・ラリー:KOUMI

小海町高原美術館では、開館20周年記念展覧会第二弾として「アート・ラリー:KOUMI」を開催します。「ラリー」には、10年前に町内で同様の滞在制作による展覧会「カレンタリー・ウェスト」を行った3名が再び集まり当時の意欲を継続し制作すること、美術館のみならず町内の様々なポイントを巡る作品を構想すること、アメリカ、オーストラリアそして日本を巡り、世界へ発信するアートであること等の意味が込められています。また、現代美術を展示方針のひとつとしてきた当館は、この場所でしか実現できない展覧会を重視してきました。本展でも展覧会準備のため、6月の半月間アーティストが小海町に滞在し、地域と交流し、場所固有の作品を制作します。
ビル・ギルバートは、GPSを使って町の地図に投影した星座に沿って実際に町を歩き、場所や出会った方を取材し、作品を制作します。ディーン・ラモスは、安藤忠雄設計の美術館建築から影響を受け、コンクリートでコミュニケーションの形態を作品化します。エリカ・オズボーンは、自然環境問題に向き合い、町内での取材を基に作品を制作します。ジョン・リードは、写真、パフォーマンス、コラージュ、テキストを用い、場所固有の文化的結び付きを作品に取り込みます。リチャード・キーリーは、日常に溢れる安価な日用品に触発され、モノの潜在的機能と現状との関係から作品を制作します。ヨシミ・ハヤシは、自然や人間の本質の定義を美術館と外部を使った展示により提示します。
6名のアーティストの活動を通じて、地域を見直し、美術の持つ可能性を感じていただけたら幸いです。

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