生誕100周年島岡達三展と新収蔵作品 コレクション展

小海町高原美術館では、生誕100周年を記念した島岡達三(1919~2007年、東京生まれ)、新たに収蔵作品が加わった井出陽一郎(1911~1983年、小海町生まれ)そして、開館時からの収蔵作家、栗林今朝男(1924~2016年、小海町生まれ)を紹介するコレクション展を開催いたします。
島岡達三は、東京工業大学で窯業を学び、復員後、家族とともに益子に移り住み、民芸の父と呼ばれる濱田庄司に師事し、1953年築窯。朝鮮半島で花開いた象嵌に縄文技法を融合させた「縄文象嵌」を確立し、1996年5月、人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定されました。海外での展覧会や大学で講義を行い、日本の民芸を世界に広げました。
井出陽一郎は、上京し、太平洋画会研究所に学び、協会展に初入選、翌年設立された独立美術協会第1回展から入選を続け、中山巍に師事します。帰郷し、昭和電工小海工場に勤め、退職後、再び独立展に入選を重ねます。その後同志と佐久美術協会をつくり、長野県展にも入選を重ねます。労働者、静物、風景、女性像等の主題を様々な表現技法を用い油彩で表現しています。
栗林今朝男は、国展入選(55年)、フォルム画廊(東京銀座)での初個展に始まり数々の個展を開催し、その名は多くの方々に知られる様になります。また、現代日本洋画精鋭作家賞(74年)、終戦50周年記念パリ芸術祭グランプリ(95年)、国際芸術文化賞(97年)、マレ芸術褒賞(97年)、レッドリボン芸術大賞(07年)と数々の賞を受賞、98年及び03年には紺綬褒章を受章しています。国画会功労者会員、信州美術会会員、佐久美術会顧問、栗林洋画研究所主宰と郷土の文化活動にも貢献しました。
島岡達三と栗林今朝男は国画会で活躍し、栗林今朝男は長野県美術全集〈第7巻〉(1994年、郷土出版社発行)に掲載された井出陽一郎の作品解説を行い、作品の修復にも携わっています。本展では、繋がりがあり、当館のコレクションの中核を形成する3名の作家を取り上げ、コレクションの魅了をお伝えいたします。

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