小海町高原美術館では、開館25周年記念展覧会の最後を飾る第四弾として、町内の学校との連携による展覧会を開催します。
小海小学校では、小海町が主人公の暮らす町のモチーフになっている2011年公開の新海誠監督作品『星を追う子ども』を題材とした授業を通じて、生徒が身近な風景を発見し、更に授業から触発され道祖神の調査を行いました。小海中学校では、信州アーツカウンシルのプロジェクトで音楽家、アーティストの蓮沼執太(1983年~)がフィールドレコーディングの授業を行い、生徒はそれぞれの視点で小海町、南相木村、北相木村の水の音を収録しました。小海高等学校と、コンセプチュアルアートをテーマに生徒が制作した作品と、当館の現代美術コレクションを構成した展示を試みます。また、コレクションから小海町に関する作品を紹介します。
小海町の画家、栗林今朝男(1924~2016年)は、「芸術家には何か芸術の畑というものがあって、そこへ種を蒔いたひとでないと芸術はできない。」と語っています。当館は展示方針のひとつに美術教育を掲げ、様々な教育普及事業を行ってきましたが、それは、それぞれの参加者の「芸術の畑」に種を蒔くきっかけをつくることだったのかも知れません。
本展が、生徒と作家の視点を通じ、皆さまの「芸術の畑」に種を蒔くきっかけとなり、小海町を再発見する展覧会となることを願います。